
Apricot Web Production
- PHP
PHPフレームワークとは?
PHPフレームワークとは、PHPを使用してWebアプリケーション開発する際の土台として機能するソフトウェアのことを指します。
つまり、共通するコードに機能性を加えて形成された骨組み、枠組みです。
特に大規模なWebアプリケーションなどを開発する際、膨大な量のプログラムを書かなくてはなりません。
しかし、フレームワークを使用することで、プログラムの記述量を大幅に削減し、工数をさげる事が可能です。
経験が浅いエンジニアでもセキュリティが担保されたプログラムを作成する事ができます。
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フレームワークとライブラリの違い

フレームワークとライブラリの違いについてお伝え致します。
・フレームワーク
フレームワークは、プログラミングにおいて、特定のオペレーティングシステムのためのアプリケーションの標準構造を実装するのに使われるクラスやライブラリの集まりを指します。
つまり、汎用的に必要なものをまとめている枠組みや骨組みのことです。
・ライブラリ
ライブラリは、汎用性の高い複数のプログラムを一つにまとめたもののことを指します。
つまり、クラスや関数といったパーツのまとまりで提供されるソースコードの部品のことです。
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PHPフレームワークを利用するメリット・デメリット
PHPフレームワークを利用するメリット・デメリットについてお伝えいたします。
メリット
・作業効率の改善
フレームワークを使用して開発をすることは作業効率の向上に繋がります。
フレームワークは、原形で利用できるテンプレート、再利用可能なクラス、ライブラリ、API等で構成されています。
多くの人が利用して信頼できるフレームワークを導入することで、大部分のコーディングは用意する必要がなくなる為、作業効率の改善に繋がります。
さらに機能やデザインのカスタマイズも簡単に出来るため、短時間で高品質なアプリケーションを開発することが可能です。
・コードの統一性を保持
チームで開発を行う際、フレームワークを使用するとコードの統一性を保持出来るというメリットがあります。
特にコーディングなどの技術力はフリーランスエンジニア毎で異なるため、コードに統一性が無くなり、結果として作業効率や開発スピードは落ちることが多いです。
フレームワークという共通ルールを使うことにより、フリーランスエンジニア毎のコーディングの違いを減らします。
・バグの減少
フレームワークなしでコーディングをすると多くの箇所でバグが発生する可能性が高まります。
これは単純に開発の力量が足りなかったこともあり得ますが、フレークワークを使用することで自力で書く際よりもバグが出にくくなる傾向にあります。
デメリット
・ある程度の学習時間が必要
PHP自体の学習の他にPHPフレームワークの学習にも時間を使わなければいけないことが挙げられます。
知識の素早いキャッチアップが必要になります。また、ドキュメントは英語で作成されていることや市場規模が小さいPHPフレームワークは情報があまりないことなども有り得ます。
・費用がかかるフレームワークがある
PHPフレームワークには無料で利用できるものもありますが、費用がかかるものもあります。
事前にしっかりと調べてから、PHPフレームワーク学習をしましょう。
・PHPフレームワークの脆弱性
PHPフレームワークの中には脆弱性が報告されるものもあります。
脆弱性があると、開発したソフトウェアにはセキュリティの問題があるということになるので、利用者の数も減少する恐れがあります。
そのため、事前にしっかりと調査した上で、PHPフレームワームの学習に取り組むことをおすすめします。
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PHPフレームワークの市場動向

PHPは技術としても安定しており、年々開発エンジニア人口が増加しているため、開発言語同様PHPフレームワークのニーズも高まっていくでしょう。
PHPフレームワークでも、LaravelやCakePHPは圧倒的にエンジニアやクライアント企業から支持されています。
PHPは多くのサービスで使われており、一部例をあげるとDMM.com、楽天市場、ヤフオク!、Omiai、BASEなどの有名なサービスのWeb開発で使用しています。
そのため、PHPを使ったWeb開発は今後拡大する可能性が高いでしょう。
ただ、フレームワークは流行り廃りがあり、現在も新しいものがどんどん開発されています。
そのため、常に最新の市場動向を確認して、知識をアップデートし続けましょう。
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おすすめのPHPフレームワーク10選
PHPは初心者エンジニアからベテランエンジニアまで幅広く使用されている開発言語です。
また、Facebook・Slack・Wikipedia・Box・メルカリ・楽天など数多くの優良企業がPHPを使用して開発をしており、フリーランス求人・案件数もJavaの次に多いです。
そのため、機能が豊富なフレームワークから軽量化を目指したフレームワークまで、様々なものが使われています。
この章では、PHP開発の際によく使用されるPHPフレームワーク10選をご紹介します。
フリーランスエンジニアの方は、ぜひ興味のあるPHPフレームワークを見てみてください。
Laravel
Laravelは、2011年に登場したPHPフレームワークです。
近年、PHPエンジニアの中で人気が急騰しているフレームワークです。
GitHubでは、PHPフレームワークの中で最高評価を受けています。Love beautiful code? We do tooという理念を掲げ、PHP初心者でも美しいコードを書けるという点が評価されているためです。
Laravelはわりやすいだけでなく、コードが書きやすく、直ぐに書き始められることなどが魅力です。
その他、日本語のドキュメントがあることやサポーターによるライブラリがたくさんあることが特長です。
YouTubeと連携可能なライブラリや管理者ページをすぐに作成できるライブラリなどが充実しています。
CakePHP
CakePHPは、2005年に登場しオープンソースで開発されたPHPフレームワークです。
有名なPHPフレームワークの1つで、ケーキを焼く様に簡単にPHPで開発ができるフレームワークを目指して開発されています。
Ruby on Railsの影響を強く受けており,Webアプリケーションを高速に開発出来ます。
CakePHPのメリットは、MVCを採用していることやbakeコマンドによるプログラム自動生成機能があること、日本語に翻訳された優れたドキュメントの多いことなどが挙げられます。
なお、現在でもフリーランス求人・案件数が一番多く、人気のPHPフレームワークです。
Symfony
Symfonyは、2005年に登場したMITライセンスに基づくオープンソースのPHP5用フレームワークです。
機能テストやデバックの為のツール群が標準装備されていたり、毎年2回リリースアップされ、サポートについても明確なルールを持っているのが特長です。
保守性と安定性を重視した構造になっており、CakePHPと同様Ruby on Railsの影響を受けています。
2021年現在、LaravelやCakePHPと比較すると、開発エンジニア人口が少ないです。
CodeIgniter
CodeIgniterは、2006年に登場したPHPフレームワークです。
CodeIgniterはコーディング規約への制限が緩く、自由度が高いという特徴があります。
CodeIgniterもMVCモデルを採用しており、コードも簡単で軽量Webアプリケーション開発に向いています。
ZendFramework
ZendFrameworkは、PHP5用MVCフレームワークです。
ZendFrameworkの技術パートナーにMicrosoftやIBM、Googleなど世界の優良企業があり、安心できるPHPフレームワークです。
ZendFrameworkは、拡張性が高く他のPHPフレームワークほど規約を使わず、各アプリケーションに応じて上書きできる特長があります。
Phalcon
Phalconは、2012年に登場したフルスタック高速PHPフレームワークです。
Phalconは、フレームワークコア部分がひとつのPHP機能拡張としてC言語で実装されているため、PHP文法解析やオペコード変換処理が必要なくなり、高速に動作出来ることが特長です。
Slim
Slimは、PHPのオープンソースマイクロフレームワークです。
マイクロフレームワークとは、シンプル構成フレームワークのことを指します。
フレームワーク習得のためのコストがあまり掛からないことやシンプルなPHPWebアプリケーション、API開発向きであることが特長です。その他、PSR-7とミドルウェア構造を採用しています。
Yii
Yiiは、大規模なWebアプリケーション開発に適したコンポーネントベースのPHPフレームワークです。
日本での利用は少ないですが、世界的には開発エンジニアが多いPHPフレームワークです。
Yiiは、軽量なキャッシュ機能があり、アクセス負荷が大きいサービスに適しており、ポータルサイトやCMSなどに使われることが多いPHPフレームワークです。
FuelPHP
FuelPHPは、2010年に登場したFuelPHPは高速かつ軽量なオープンソースPHPフレームワークです。
FuelPHPは、既存のPHPフレームワーク(CakePHP、CodeIgniter、Symfonyなど)の長所が活かされているため、高度なWebアプリケーション開発に適しています。
Flight
Flightは、シンプルをコンセプトに開発されたフレームワークです。
ドキュメントもシンプルで誰でもすぐに使用できるフレームワークであり、RESTfulWebアプリケーション開発向きです。
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PHPフレームワークのトレンド

PHPフレームワークのトレンドの結果はLaravel、CakePHP、Symfony、CodeIgniter、FuelPHPの順番になりました。(2022年2月時点)
PHPフレームワークでLaravelが圧倒的にトップです。
Laravel以外は似たような位置にいることや直近1年間トレンドが変化していなことを考慮すると、今後トレンドが変化することは少ないと言えるでしょう。
そのため、PHPエンジニアや今後PHPの学習を検討している方はLaravelの学習も積極的に行ったり知識を蓄えておくことをオススメします。
まとめ
今回はPHPのフレームワーク概要の説明からオススメのPHPフレームワークまでご紹介させていただきました。
作業効率よく開発を行うにはフレームワークを使って開発することが良いでしょう。
現在、PHPフレームワークで最も注目されているのは、Laravelです。
その背景として、Laravelは、コードが非常に書きやすいことや日本語のドキュメントが豊富であること、ライブラリがたくさんあることなどが挙げられます。
その他、CakePHP・FuelPHP・Symfony・ZendFrameworkなど様々な特徴を持ったPHPフレームワークが存在します。
フレームワークは流行り廃りがあり、現在も新しいものが日々開発されています。常にPHPや周辺知識に関する最新情報を確認し、アップデートすると良いでしょう。
開発規模や環境・分野を考慮した上で、慎重に選択することをおすすめします。