Laravelとは?PHPフレームワークの特徴

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- PHP

Laravelって何?

Laravel(ララベル)という言葉は聞いたことがあるものの、いつどんな用途で使うのかイメージが湧かない人は多くいますよね。また、なぜPHPのフレームワークといわれているのか、そもそもフレームワークとは何なのかが気になる人もいるはず。

そこで、この記事ではPHPの代表的フレームワークLaravelとは何なのか、その特徴をメリットやデメリットも交えて紹介します。

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Laravel(ララベル)とは?

Laravelは、PHPというプログラミング言語のWebフレームワークです。

ちなみに、フレームワークとはシステム開発で頻繁に使用する機能をまとめたものです。使用頻度が高い機能を毎回作るのは手間がかかります。その点、フレームワークを利用すれば、効率よく開発を進められるのです。

Laravelは2011年にアメリカで開発されたフレームワークで、扱いやすくPHPフレームワークのなかでも高い人気を誇ります。おもにWebアプリケーション開発に使用され、Web系開発を効率化できる機能が豊富です。

ここでは、Laravelの特徴と同じくPHPフレームワークのCakePHPとの違いを解説します。

世界的に人気があるフレームワーク

Laravelは、PHPのフレームワークの中でも人気が高いフレームワークです。

PHPのフレームワークはLaravel以外にも、Symfony、CodeIgniter、CakePHP、Zendなどがありますが、そのなかでもLaravelは世界的に人気があります。

フレームワークをはじめとする利用実態の統計を行うbuilt withの「ララベル利用統計」によると、Laravelは2022年10月3日現在、アクセストップ100万で1.93%、10万で3.5%、1万で3.98%となっています。これだけ見ると少なく感じますが、他言語のフレームワークもあるなかでこの数字は需要が高いといえます。

また、Googleトレンドで日本におけるPHPの他フレームワークとの検索数を調べたところ、Laravelの検索数が最も多いです。このことからも、日本・世界を含め人気が高いフレームワークといえるでしょう。

LaravelとCakePHPの違い

CakePHPは、Laravelと同じくPHPのWebフレームワークです。

LaravelとCakePHPには細かい違いがたくさんありますが、双方の主な特徴は次のとおりです。

Laravel柔軟性があり便利な機能が豊富
CakePHP開発スピードが速い

Laravelは、フレームワークとして実装に必要な便利機能が豊富に用意されており、必要に応じて柔軟にプログラムを作成できます。また、定期的に新しい技術を取り入れたアップデートも行われるため、継続して使用しやすい点も魅力です。

一方CakePHPは、開発スピードの速さが売りです。規約をしっかり決め、それに従ったコーディングが求められます。そのため、統一されたコードになり、開発スピードを上げることができるのです。ただし、柔軟な変更を加えようとすると、制限が出ることも多くあります。

Laravelのように、柔軟な変更を加えるのは苦手としています。CakePHPは2018年ころまでの需要が高かったですが、2022年現在はLaravelの人気が上回っています。

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Laravelのメリット

ここでは、Larabelを活用する6つのメリットを紹介します。

将来性が高い

Laravelは、次の理由から将来性が高いフレームワークであるため、習得すれば長く幅広い場面で使用できます。

  • さまざまな開発現場で活用される需要の高さ
  • 定期的なアップデート

Laravelの将来性が高いといえる理由の1つは、需要が高いことです。世界でも日本でも人気があるフレームワークであることから、利用される開発現場もたくさんあります。

また、PHP自体もWebサイト・Webサービス・Webアプリケーションなど、幅広い場面で使用されていて将来性が期待されている言語です。

2つめの理由は、Laravelが定期的にアップデートされるということです。フレームワークによっては、最新の動向などを取り入れずアップデートの頻度が低いものもあります。その点、Laravelは今でも定期的にアップデートが入り、最新の開発環境に合った機能を提供しています。

定期的にアップデートされるフレームワークは、不具合や互換性のトラブルが起こりにくいため、エンジニアも利用しやすいのです。

Laravelは、これらの2つの理由から将来性が高いといわれています。

将来的に長く使われるフレームワークを習得しておけば、支障なく仕事を進められます。また、一度習得したスキルでも、使われなくなれば新しいスキルを習得する手間がかかります。そのため、長く使えるLaravelはメリットが大きいといえます。

開発しやすい「MVCモデル」が採用されている

Laravelは、MVCモデルというシステムを開発しやすい仕組みが採用されている点も魅力です。

MVCモデルとは、

  • Model(データ処理)
  • View(画面表示)
  • Controller(全体制御)

の3つに機能を分割して処理する仕組みを指す言葉です。

開発工程が分業できないと、順番に作業を終わらせる必要があり、同時進行で開発するのが難しくなります。その点、MVCモデルであれば、データ処理・画面表示・全体の制御システムを別々に開発することができます。そのため、作業効率を上げてスムーズに開発可能です。

このように、LaravelはMVCモデルが採用されており、開発がしやすいメリットがあります。

コマンドで作業効率を高められる

Laravelでは、コマンドを使って作業効率をアップできることもメリットです。

Laravelには、「Artisan」という専用コマンドがあります。コマンドは命令するという意味がある言葉で、コンピューターに指示を出す機能です。

コマンドを実行することで、モデルやコントローラーの作成、サーバーの操作などが簡単にできます。手間がかかる作業がコマンドで実行できるため、作業効率をアップできるのです。

システム開発では、できるだけ効率的に作業を進めなければいけません。その点、Laravelのコマンドを使えば、作業効率をアップできるのでかなりのメリットがあるといえるでしょう。

入力値チェックが自動化できる

Laravelは、入力値チェックを自動化できます。

入力値チェックは「バリテーション」といわれる機能です。例えば、パスワードの設定をユーザーに求める際、パスワードに「大文字小文字数字の組み合わせで8文字以上」という条件を設けたとします。

この時にユーザーが条件に反したパスワードを設定した場合、エラー表示しなければいけません。このチェック機能をバリテーションと呼びます。

入力値チェックを自力でコーディングするのは、手間がかかりますが、Laravelを使えば入力値チェックは設定のみで自動的にコーディングしてくれます。

入力値チェック機能の実装を効率化できるのは、Laravelのメリットといえるでしょう。

プログラムの拡張性が高い

Laravelは、プログラムの拡張性が高い点も魅力です。

Laravelは開発を効率化できる機能が豊富なため、コード作成を自動化できる部分もあります。ただ、それ以外のコードに関しては自由に作成可能です。

また、文法などの規則は他言語・フレームワークに比べると緩いため、柔軟にコードを変更できます。そのため、拡張性が高く、必要に応じてコードを変更できるメリットがあるのです。

習得が比較的簡単

Laravelは、比較的習得が簡単なフレームワークであることもメリットでしょう。

PHP自体の習得難易度がそれほど高くないため、フレームワークであるLaravelも習得しやすいといえます。後で解説しますが、PHPもしくはLaravelが学べるWebサイトや本、プログラミングスクールなども増えています。

自分の学習レベルや理解度にあわせた教材を使えるので、比較的楽に学習できるでしょう。また、Laravelは人気の高いフレームワークであるため、ネット上にたくさんの情報が出回っています。学習中に分からないところが出てきても、検索して解決できるのも魅力です。

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Laravelのデメリット

もちろん、Laravelには活用するメリットだけでなくデメリットもあります。ここでは、Laravelのデメリットを2つ紹介します。

コードが複雑化しやすい

Laravelは柔軟性が高く、コードを比較的自由に変更しやすい一方、コードが複雑化しやすいデメリットもあります。

コードを整理して記述できれば問題ありませんが、自由に記述するうちにコードの意図や記述内容が分からなくなるリスクもあるのです。

システム開発時、正常に動作するコードであっても、何を書いたか分からないようでは問題があります。

とくに複雑化したコードは、エラー修正時に手間取る原因になりがちです。コードが整理されておらず、好き勝手に記載されていると、エラー個所を探すのにかなりの時間がかかります。そのため、コードが複雑化するのは、結局は作業効率が下がるデメリットにつながるのです。

また、複雑なコードは第三者のエンジニアに引き継いだ時、意味が分かりにくくなる可能性もあります。引継ぎで手間取れば、作業効率が悪くなるため、Laravelを使うときはコードが複雑化しないように注意が必要です。

遅延等の不具合が生じる可能性もある

LaravelはWeb系開発で便利なフレームワークですが、処理速度は早くない点は注意が必要です。

柔軟性が高い特徴がある分、比較的コードは長くなりがちです。そのため、処理速度は必然的に遅くなってしまいます。

大規模なシステムや一度に大人数が利用するサービスなどを開発する場合、処理速度が追い付かずに遅延など不具合が発生するリスクもあります。便利なLaravelですが、どんな開発にも向いているわけではありません。

あまり処理速度は期待できないため、処理速度を求めない開発で使用することをおすすめします。

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Laravelの使い方

Laravelの使い方は、次のとおりです。

  • ステップ1:PHP環境を導入する
  • ステップ2:Composerのインストール
  • ステップ3:Laravelのインストール

まずは、PHPの開発環境を整備しましょう。そのあと、ComposerLaravelをインストールします。

Composerは、Laravelのパッケージを管理するシステムです。Laravelにはたくさんのパッケージが使用されていますが、別々にインストール・更新するのは大変です。その点、Composerを導入すると、自動で必要なパッケージをインストール・更新できます。

Composerをインストールしたら、次はLaravelをインストールしましょう。

まとめ

今回はLaravelとは何なのか、その特徴をメリットやデメリットも交えて紹介しました。

LaravelはPHPのWebフレームワークの1つで、世界的に人気が高いフレームワークです。Web系開発に便利な機能もたくさんあるうえ、将来性も期待できます。

将来的にPHPを使ったWebサイト・Webサービス・Webアプリ開発などに興味がある人は、ぜひLaravelの学習に取り組んでみてください。

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